2010年05月10日

「対訳 寺社を歩けば京都がわかる」

新刊のご案内です。

寺社を歩けば京都がわかる
みやこの御本「古都の言の葉: 京都を識るキー・ワード 」でお馴染み槇野修さん執筆、紫紅社編の「対訳 寺社を歩けば京都がわかる」を発売致しました。

今まで有りそうで無かった、京都の神社仏閣をエリア別に日英対訳で紹介する本です。左のページが日本語、右のページが英語になっていて、外国人の方のお土産としても最適ですし、また、英語教育の一助にもなるよう構成されています。

エリア別に約50を紹介していて、「この神社の次はあそこに行くといいだろう」と言った記述もありますので、ルート作りにも便利です。
その寺社それぞれの拝観時間や拝観料、住所や、ターミナル駅からの交通ルートは勿論、ガイドブックでは物足りなかった寺社のその歴史、建物の特徴、建立の由来などを文学的な文章で紹介してあります。

読み物としてもとても興味深く読み応えがあるので、パラパラ捲って「今日は●●寺を読んでみよう」といった楽しみ方も出来ます。
例えば、八坂神社の項を見てみると書き始めは…

京都人はものの名に「さん」をつけてよぶことが多い。「お揚げさん」から「天皇さん」とさまざまである。とくに寺社の名に「さん」をつける。「弘法さん」(東寺)、「天神さん」(北野天満宮)、「お西さん」(西本願寺)、「お東さん」(東本願寺)と別称や略称を用いる場合もあれば、「建仁寺さん」「清水さん」と本名に「さん」をつけることもある。(後略)


どうです?興味深いでしょう?勿論この後に八坂神社をどういう風に「さん付け」するのか書いてありますが、そこはどうぞ商品でご確認ください。

ちなみに今の文章、英文ではこのように書いてあります。

The people of Kyoto often put the suffix -san, expressing deference,dearness,of politeness,to the names of things ranging from fried tofu(o-age-san)to the emperor himself(Tenno-san).In particular,one often hears this -san attached to the names of temples and shrines in Kyoto. Sometimes a variation of the name is used, such as "Kobo-san" for To-ji, "Tenjin-san" for Kitano Tenman-gu,"O-nishi-san" for Nishi Hongan-ji,and …(後略)


といった感じで紹介されています。(長くなったので途中できりました)
英文は逐語訳ではなく、全体の意味に重点をおいた意訳になっているので、とても読みやすい文章です。

実際の本の感じをつかんでもらうため、パラパラしてみました。


全国の主要書店、京都の殆どの書店の、ガイドコーナー、地方のコーナー、もしくは語学のコーナーにて絶賛発売中です!
目印は、平安神宮の應天門から見える拝殿です。
外国人観光客に大人気の鮮やかな朱色の建物です。

紫紅社webショップでも販売しておりますので、こちらもご利用下さい。
一点でも送料無料でお送りします!


最後に…載っている寺社を下にあげておきます。

エリア1: 京都の寺社観光のナンバーワン地域
清水寺/高台寺/八坂神社/知恩院/青蓮院/平安神宮/建仁寺/三十三間堂
エリア2: 緑深い山麓の寺社から糺の森へ足を伸ばす
南禅寺/永観堂/銀閣寺/真如堂/吉田神社/下鴨神社/相国寺
エリア3: 篤い信仰に支えられた豪壮かつ精緻な寺社
東寺/西本願寺・東本願寺/東福寺/泉涌寺/伏見稲荷大社/万福寺/宇治上神社/平等院/石清水八幡宮
エリア4: 必見の建築、庭園、仏像が集中する地域
金閣寺/龍安寺/仁和寺/妙心寺/広隆寺/大徳寺/北野天満宮/光悦寺
エリア5: 嵯峨野から粟生の光明寺まで巡る早足の旅
天龍寺/清凉寺/大覚寺/嵯峨野の寺社めぐり(野宮神社、常寂光院、二尊院、祇王寺、滝口寺、化野念仏寺、直指庵、愛宕念仏寺)/松尾大社/苔寺/光明寺
エリア6: 京都の各地に点在する忘れ得ぬ寺社
詩仙堂/曼殊院/三千院/寂光院/鞍馬寺/貴船神社/神護寺/高山寺/毘沙門堂/勧修寺/醍醐寺


posted by 山吹 at 12:00| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | きょうの一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月01日

東京オリンピック招致活動と日本の伝統色

ひとめ見るだけでは全く関係のないこの2つのキーワードですが、実は最近ニュースでこの2つがリンクしてよく報道されています。

今月2日にコペンハーゲンで開かれるIOC総会にて、2016年の夏季五輪開催地が決定します。すでに様々なメディアで配信されているので、よくご存知だと思いますが東京も立候補をしておりこの最終プレゼンに残っています。今のところ下馬評では一番不利といわれていますが。

この劣勢を跳ね返すべく、招致委員会が勝負服に選んだのは日本の伝統色「紫木蓮」と「深川鼠」を基調に織り上げたスーツだそうです。1着30万だそうな。巷ではこの30万のスーツにいろんな意見が飛び交っていますがここではそれには触れず色の話をしたいと思います。石原都知事もマラソンのQちゃんも、シンクロの小谷さんもみんな気合をいれてこのスーツを着ています。

この記事によると4年前の総会ではパリ招致委員会が地味なスーツを着ていたことも投票に少なからず影響を与えロンドンに負けたとかなんとか・・・

ここでは「深川鼠」について触れてみたいと思いますが、この「深川鼠」ですがなぜ「深川鼠」というのでしょうか?弊社刊「日本の色辞典」(260頁)から抜粋します。

江戸期の通人たちが、豪華絢爛たる幕府公認の遊郭吉原より、衣装も化粧も淡白で、色より芸と意気地を張った、深川の「羽織芸者」の粋に通じる感性を、この色から受けたからであろうことは難くない。

おそらく、ここまでの知識を駆使してこの色を基調としたスーツにしたのでしょうね。
プロの方に失礼ですが、デザイナーの方の思いが伝わってくるような気がします。
このスーツのコスチュームデザイナーは松島正樹氏です(といっても私は存じ上げていませんでした・・・世界で活躍されている方なのに、すいません)。

さて、東京はどうなるのでしょうか?結果に一喜一憂するだけでなくテレビに映るスーツをまた違った目で見てみてはいかがでしょうか。色にも歴史があるのですよね。

では長くなりましたので紫についてはこちらをご覧下さい。


irojiten.jpg
日本の色辞典
吉岡幸雄、福田伝士(染色)


posted by 茜色 at 18:21| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | きょうの一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月18日

源氏物語を英語で読む

源氏物語の現代語訳(もちろん日本語)にトライして理解できた人が何人いるでしょう?私は与謝野晶子さん訳を二度、ヘロヘロになりながら読みましたが、どこまで理解できたかといえば “ ? ” ですー。

そんな私が理解できるきっかけになったのは、なんと英語で読んでみることだったのです。
日本語のものも含め、はじまりの一文を比較してみますね。


原文

いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。(新潮日本古典集成より)


では現代語訳の谷崎訳

何という帝の御代のことでしたか、女御や更衣が大勢伺候していました中に、たいして重い身分ではなくて、誰よりも時めいている方がありました。(中公文庫より)


同じく円地文子訳

いつの御代のことであったか、女御更衣たちが数多く御所にあがっていられる中に、さして高貴な身分というではなくて、帝の御寵愛を一身に鍾めているひとがあった。(新潮文庫より)


同じく与謝野晶子訳現代語訳はかなり読みやすいのですが、やっぱりアレルギーを感じる人は、「これから読み切れるのだろうか〜?」と不安になる文章かもしれません。

どの天皇様の御代であったか、女御とか更衣とか言われる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深いご寵愛を得ている人があった。(角川ソフィア文庫より)



では源氏英訳の第一人者サイデンスデッカーの訳を見てみましょう。

In certain reign there was a lady not of the first rank whom the emperor loved more than any of the others.(Vintage Classicsより)



次にこの人も源氏英訳で有名なロイヤルタイラー訳

In certain reign(whose can it have been?)someone of no very great rank, among all His Majesty's Consorts and Intimates, enjoyed exceptional favor.(Penguin Classicsより)


なんとなく英訳は中学で習ったSVOCとかの文法を思いだせば理解できそうですよね。
ただいきなりこの英語の2冊はヘビーだと思います。
そこでまずはこの2冊から始めてみてはいかがでしょう?

Stories from The Tale of Genji Yugao
「ラダーシリーズ 源氏物語 夕顔」


Stories from The Tale of Genji Wakamurasaki
「ラダーシリーズ 源氏物語 若紫」


簡単な英語で読むことで古典アレルギーは微塵も感じることはないでしょう。あらすじで読む源氏物語英語版という雰囲気です。感情移入しやすく、読みやすい英文になってます。
一度現代語訳(日本語)に挫折した人はこの夕顔の巻と若紫の巻をよんでから、もう一度現代語訳を読むとかなりすんなりと物語に入っていけます。それからサイデンスデッカー訳、タイラー訳を読んでみてはいかがでしょうー。

では、英語アレルギーはどうすんねん〜!という方にお勧めなのが弊社刊「源氏物語の色辞典」です。
源氏物語には色や着物の記述が非常に多い。それらが古法に則って植物染で染織し色彩を再現されています。
あらすじは分かりやすく簡潔に表現されていて、これを読んでから現代語訳を読むのもよし、先に現代語訳を読み自分なりに往時の色の想像を膨らませてから見るのもよし、自分なりに使える一冊だと思います。
詳しくはこちらでどうぞ!

今回お奨めした書籍の一部は紫紅社オンラインショップでお求め頂けます。(画像をクリックして下さい)

The Tale of Genji(Vintage Classics)
"The Tale of Genji"(Vintage Classics)
紫式部
Edward G. Seidensticker (翻訳)


The Tale of Genji (Penguin Classics)
"The Tale of Genji"(Penguin Classics)
紫式部
Royall Tyler (翻訳)


618genjiyugao.jpg
"Stories from The Tale of Genji Yugao"
「源氏物語 夕顔」
紫式部
ステュウット・ヴァーナム−アットキン(翻訳)


Stories from The Tale of Genji Wakamurasaki
"Stories from The Tale of Genji Wakamurasaki"
「源氏物語 若紫」

紫式部
ステュウット・ヴァーナム−アットキン(翻訳)


618genji.jpg
「源氏物語の色辞典」
吉岡幸雄

posted by 茜色 at 13:50| 京都 | Comment(0) | TrackBack(0) | きょうの一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする