2009年06月18日

源氏物語を英語で読む

源氏物語の現代語訳(もちろん日本語)にトライして理解できた人が何人いるでしょう?私は与謝野晶子さん訳を二度、ヘロヘロになりながら読みましたが、どこまで理解できたかといえば “ ? ” ですー。

そんな私が理解できるきっかけになったのは、なんと英語で読んでみることだったのです。
日本語のものも含め、はじまりの一文を比較してみますね。


原文

いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。(新潮日本古典集成より)


では現代語訳の谷崎訳

何という帝の御代のことでしたか、女御や更衣が大勢伺候していました中に、たいして重い身分ではなくて、誰よりも時めいている方がありました。(中公文庫より)


同じく円地文子訳

いつの御代のことであったか、女御更衣たちが数多く御所にあがっていられる中に、さして高貴な身分というではなくて、帝の御寵愛を一身に鍾めているひとがあった。(新潮文庫より)


同じく与謝野晶子訳現代語訳はかなり読みやすいのですが、やっぱりアレルギーを感じる人は、「これから読み切れるのだろうか〜?」と不安になる文章かもしれません。

どの天皇様の御代であったか、女御とか更衣とか言われる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深いご寵愛を得ている人があった。(角川ソフィア文庫より)



では源氏英訳の第一人者サイデンスデッカーの訳を見てみましょう。

In certain reign there was a lady not of the first rank whom the emperor loved more than any of the others.(Vintage Classicsより)



次にこの人も源氏英訳で有名なロイヤルタイラー訳

In certain reign(whose can it have been?)someone of no very great rank, among all His Majesty's Consorts and Intimates, enjoyed exceptional favor.(Penguin Classicsより)


なんとなく英訳は中学で習ったSVOCとかの文法を思いだせば理解できそうですよね。
ただいきなりこの英語の2冊はヘビーだと思います。
そこでまずはこの2冊から始めてみてはいかがでしょう?

Stories from The Tale of Genji Yugao
「ラダーシリーズ 源氏物語 夕顔」


Stories from The Tale of Genji Wakamurasaki
「ラダーシリーズ 源氏物語 若紫」


簡単な英語で読むことで古典アレルギーは微塵も感じることはないでしょう。あらすじで読む源氏物語英語版という雰囲気です。感情移入しやすく、読みやすい英文になってます。
一度現代語訳(日本語)に挫折した人はこの夕顔の巻と若紫の巻をよんでから、もう一度現代語訳を読むとかなりすんなりと物語に入っていけます。それからサイデンスデッカー訳、タイラー訳を読んでみてはいかがでしょうー。

では、英語アレルギーはどうすんねん〜!という方にお勧めなのが弊社刊「源氏物語の色辞典」です。
源氏物語には色や着物の記述が非常に多い。それらが古法に則って植物染で染織し色彩を再現されています。
あらすじは分かりやすく簡潔に表現されていて、これを読んでから現代語訳を読むのもよし、先に現代語訳を読み自分なりに往時の色の想像を膨らませてから見るのもよし、自分なりに使える一冊だと思います。
詳しくはこちらでどうぞ!

今回お奨めした書籍の一部は紫紅社オンラインショップでお求め頂けます。(画像をクリックして下さい)

The Tale of Genji(Vintage Classics)
"The Tale of Genji"(Vintage Classics)
紫式部
Edward G. Seidensticker (翻訳)


The Tale of Genji (Penguin Classics)
"The Tale of Genji"(Penguin Classics)
紫式部
Royall Tyler (翻訳)


618genjiyugao.jpg
"Stories from The Tale of Genji Yugao"
「源氏物語 夕顔」
紫式部
ステュウット・ヴァーナム−アットキン(翻訳)


Stories from The Tale of Genji Wakamurasaki
"Stories from The Tale of Genji Wakamurasaki"
「源氏物語 若紫」

紫式部
ステュウット・ヴァーナム−アットキン(翻訳)


618genji.jpg
「源氏物語の色辞典」
吉岡幸雄

posted by 茜色 at 13:50| 京都 | Comment(0) | TrackBack(0) | きょうの一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック